engawa50’s diary

つれづれ日記。Twitter : engawa50

No.1 人口からみる日本の将来

これからいろいろブログを書いていくうえでとりあえずの方針として、世の中や社会についておもうこと、自分の知的好奇心がくすぐられることなどを、できるだけ短くまとめ、たくさんの方々に読んでいただけることを目指す。

 

ここでは、ぼくの考える人口からみる日本の将来」をできるだけ簡単にまとめようとおもう。

 

1. はじめに ~なんで人口?~
10代が何人いるのか、40代が何人いるのか、といった人口構造を知ることは、その国の将来を予想するうえでとても役にたつ。
なぜなら、たとえば今の0~30代は20年後には国の経済を支える中核の世代になり、今の40~60代は20年後には高齢者になる。
『今0歳の赤ちゃんが来年20歳になったりはしない』ので、数十年後の人口の予測というのはかなりの精度で言い当てることができる。


2. 問題は『人口減少』じゃない!『生産年齢人口の減少』だ!!
日本は人口減少時代に突入した、とよく聞くが、実際には人口ピーク時と比べてもさほど減少していない(※1)。
こどもの数は減っているものの、高齢者の寿命も延びているからである。
しかし、15歳~64歳をさす『生産年齢人口』は、著しいスピードで減少している。

具体的には、1995年ごろには 8700 万人いたが、2017年時点で 7600 万人を割っている(※2)。


3. 人が減ること自体は悪いことじゃない

経済活動をする人の頭数が減少すると日本の経済自体も縮んでいきそうにもおもえるが、ぼくはそこは悲観していない。

いろんなデータがあるので確かめきれていないが、ここ100年で世界の一人当たりGDPは5倍そこらにはなっているらしい。

経済の大きな発展というのは産業革命がおきたり、IT技術がうまれたり、といった
イノベーションによってもたらされるものであって、人口以外の要因が大きい。
いままでの世界の人口増は経済成長の結果にすぎないのであって、その逆ではないとおもう。


4. 顕著になった人手不足

日本では、2017年は1年をとおしてほとんど失業率は3%以下で、完全雇用状態と呼ばれる水準になったといえる。

つまり、2017年という年は、「働ける人が全員働くようになった年」だということである。

最近、運輸・飲食・コンビニ・建設業界などで人手不足の深刻化が叫ばれるようになり、『企業がひとを大事にする方向にシフトしてきた』とぼくは感じている。

生産年齢人口の減少はまだまだずっと続くので、この流れはこれからより顕著になるような気がしている。

今まで人が増え続けてきた日本では、企業が社員に忠誠心を求めるような文化・制度もあいまって、顧客だけ大事にして労働者を軽んじる態度が企業で醸成され、それを経済のメインエンジンにして歩んできてしまったようにおもう。

それで儲かっていた時代はよかったが、そのエンジンが機能しなくなってきた昨今、人手不足は世の中をいい方向にかえる力をもっているかもしれない、とおもう。

 

5. 一方で深刻な社会保障財政

一方で、『若者は減っているのに高齢者は増えていく世の中』は日本の社会保障制度(医療・年金・介護)の致命的な欠陥を露呈しつつある。

日本の年間の社会保障給付費は現在だいたい 120兆円ほど。これが、団塊の世代がみな後期高齢者になる2025年には、149兆円になるらしい。

7年後には、年間の社会保障給付費が30兆円ちかく増えるのだ。

国の 財政の問題が個人のおサイフにどうダメージを与えるのかはイメージしにくいが、基本的にはこれから増税・保険料増は避けられないと思われるので、給料はふえてるのに貧しい、というようなことが起こりうるとおもう。

増税は景気を悪化させる」という理由での増税反対論は根強いし、それはたしかに正論だ。だが、ではどうやって30兆円捻出しますか、という難しい問題にとりくまなければいけない。この点はまた別途論じたい。

 

6. さいごに

日本の人口構造からは、これからも生産年齢人口の減少がさらに継続していくことが読み取れる。

これには、「企業が労働者の声に耳を傾けざるを得なくなる」というプラスの面があるとぼくはおもうが、一方で高齢者の割合が飛躍的に伸びていく世の中では、年齢をトリガーにして支給を開始、あるいは支給額を増やすような社会保障制度は維持不可能である、というマイナス面も際立ってくるとおもう。

いずれにせよ、日本の人口構造の変化はいちじるしく、実体経済、社会にたいして大きな影響をあたえるとおもうので、どんなふうに変わっていくのか、この目で確かめたいなとおもう。

 

・以下参考

※1

日本の人口統計 - Wikipedia

※2

統計局ホームページ/労働力調査 長期時系列データ