engawa50’s diary

つれづれ日記。Twitter : engawa50

No.4 非正規雇用者の2018年失業問題

気になる記事を見かけたので以下リンク。

 

diamond.jp

労働契約法の改正によって、2013年4月以降に契約を結んだ非正規労働者は、2018年4月以降、申請すれば正規雇用になれる権利をもつことになっているとのこと。

 

非正規雇用者からすれば、5年間働けば正社員になれる切符を手にすることができる一方で、企業からすれば、契約して5年たつと自動的に正規雇用化させなくてはならなくなる可能性がある。

 

最近話題の雇い止めのニュースは、2018年4月を目前にして、正社員化させることを嫌がった企業が非正規社員を次々とクビにしていることを示している。

これをうけて、「企業の脱法行為だ」と批判する人がたくさんいるわけだが、俺はそもそも制度設計が悪いと感じる。

脱法行為とかではなく、最初からわかってたことじゃない?と。

 

なぜ非正規雇用者が日本に2000万人もいるのかといえば、企業はバブル崩壊後、アメリカも凌駕すると信じていた当時の日本経済のすさまじい力がただの幻想であったことに気付き、リスクに対して過剰に敏感になるようになった。

何かあったときには簡単にクビをきれるバッファ(緩衝材)を用意しておく必要があると学んだので、90年以後非正規社員はうなぎのぼりに増えてきた。

 

企業にとっては戦略上、必要があるから計2000万人の緩衝材を用意しているというのに、その「必要」をどう解消するかということに目をむけず、ただクビにできなくすればいい、というのでは、「臭いものにフタをした」だけではないかなと感じる。

 

たぶんこの法律を考えたひとびとは正義感にあふれ、弱者を救済するために作ったのだろうけど、そういう「弱い人を助けよう」という正義感で政府や官僚がつくった制度というのは、空回りどころか弱者を痛めつけるだけで終わることもとても多い。

 

年金制度はその筆頭。

給与所得を得られなくなった高齢者を救済するため、老後の生活に不安を抱かず生きていけるようにするため、という素晴らしい正義感のもとつくられた制度なのだろうが、財源はまったくないので、将来世代にツケを回し、途方もない世代間格差を生み出してしまった。

今の若者は、「年金もらえるのかな」なんて心配をしているようでは甘くて、「増え続ける社会保険料を払い続けられるのかな」という心配をするべき、と思う。

 

日本人の各世代をみると、一番金融資産をもっているのは高齢世代だ。

年よりが一番金をもっているのに、一番金を持っていない若者から毎月仕送りをしている。

非正規雇用で手取り20万円いかない若者からも、シングルマザーで懸命に子どもをそだてる母親からも、一番お金を持っている年よりへの強制仕送りが公然とおこなわれている。

客観的に考えてみれば、「なんだそのわけのわからない制度は!?」とおもうんだが、年金制度の既得権益者たる老人が、投票の大きな部分を占めているので、この問題は民主主義を貫くんであれば、どうしようもないと思われる。

 

「弱者救済をうたう制度が弱者を作り出す」という笑えないお話しでした。

 

非正規雇用問題については、いろいろ思うこともあるのでまた別途語りたい。